仏壇用の掛軸は、まず菩提寺に宗派・派に合うご本尊や脇侍を確認し、仏壇内部の設置スペースを採寸して、商品ごとの実寸が合うものを選びます。基本はご本尊を仏壇中央の最上段、脇侍をその左右に安置しますが、組み合わせや左右の配置は寺院などで異なる場合があります。
掛軸は「代」の数字ではなく、縦横寸法と軸先を含む幅で選びます。掛軸台を使う場合は、台の寸法も仏壇内部の設置スペースと照らし合わせます。
仏壇用の掛軸は何を表す?
仏壇用の掛軸には、信仰する宗派の仏様や開祖などが描かれます。礼拝の対象として用いられ、ご本尊としての役割は仏像と同じと説明されています。仏像と掛軸のどちらを選ぶかは、宗派や寺院の考え方を踏まえて決めましょう。
掛軸の基本的な役割や掛け方は、仏壇に掛ける宗派の掛軸についての解説でも紹介されています。
宗派が分からない場合や、同じ宗派の中で派による違いが気になる場合は、家族の宗派だけで決めつけず、菩提寺に尋ねるのが確実です。掛軸を購入する前に、次の点を確認しておくと選びやすくなります。
- ご本尊として何をお祀りするか
- 脇侍を用意する場合、どの掛軸をそろえるか
- 仏壇内での掛ける位置や左右の配置
- 掛軸の寸法や掛け方に関する寺院の指定
宗派別のご本尊・脇侍は菩提寺に確認する
宗派別のご本尊には、次のような代表例があります。掲載されている一覧をもとにした例であり、すべての寺院に共通する決まりとしてではなく、確認の手掛かりとしてご覧ください。
| 宗派 | ご本尊の代表例 |
|---|---|
| 天台宗 | 阿弥陀如来(座弥陀) |
| 真言宗 | 大日如来 |
| 浄土宗 | 阿弥陀如来(舟立弥陀) |
| 曹洞宗・臨済宗 | 釈迦如来 |
| 日蓮宗 | 御曼荼羅 |
| 浄土真宗本願寺派・真宗大谷派 | 阿弥陀如来 |
脇侍の代表例としては、天台宗の伝教大師・智者大師、真言宗の不動明王・弘法大師、浄土宗の法然上人・善導大師、曹洞宗の常済大師・承陽大師などが挙げられます。浄土真宗では、本願寺派と真宗大谷派で脇侍の例が異なります。また、真言宗でも派によって異なる例があります。
宗派別の組み合わせは代表例を参考にし、宗派内の派や地域、寺院による違いを踏まえて菩提寺に尋ねます。脇侍の種類と左右の位置は、宗派名だけで決めず、仏壇に向かう人から見た左右かも含めて具体的に尋ねると、配置を判断できます。
ご本尊・仏像・掛軸の宗派別の例も参考になりますが、寺院ごとの作法は菩提寺に確認することが大切です。
ご本尊のみか、脇侍もそろえるかを決める
掛軸の用意の仕方には、ご本尊のみ、中央のご本尊と脇侍二幅をそろえる三幅対、ご本尊と脇掛二幅などがあります。仏壇のスペースに合わせてご本尊のみを用意する例や、三尊を一枚にまとめた掛軸を扱う販売店もあります。
脇侍をそろえるかどうかは、仏壇の広さと菩提寺の考え方を踏まえて相談します。すでに掛軸や仏像をお祀りしている場合は、その内容を寺院に伝えてから、買い替えや追加を決めます。
仏壇の内寸と掛軸の実寸を測る
掛軸のサイズは「代」で表されることがあります。ただし、同じ代数でもメーカーや宗派、本山掛軸によって寸法が異なるため、代数だけでは仏壇に収まるか判断できません。購入前に、仏壇の設置スペースと商品の実寸を照らし合わせます。
採寸する場所と確認する寸法
- 掛ける位置を決める:ご本尊を掛ける仏壇中央の最上段を確認します。脇侍も用意する場合は、左右に掛ける場所も見ます。
- 高さを測る:中央の須弥壇上段から仏壇の天井までなど、掛軸を設置する場所の高さを測ります。
- 幅を測る:掛軸を並べる場所の幅を確認します。三幅を掛ける場合は、それぞれを並べるスペースがあるかも見ます。
- 掛軸台を使うか決める:台を使う場合は、台を置く場所も含めて設置できるか確認します。
- 商品の実寸を見る:掛軸の総丈や幅を確認し、幅が軸先の金具を含む寸法かどうかも商品情報で確かめます。
寸法表の一例では、東本願寺(真宗大谷派)と西本願寺(浄土真宗本願寺派)で、同じ代数でも掲載寸法が異なり、横幅の測定条件も同じではありません。表は参考値として使い、購入する商品の寸法を仏壇の設置スペースと照らし合わせます。掛軸のサイズ表記と選ぶ際の注意点にも、代数だけで寸法を判断できないことや参考寸法が掲載されています。
掛軸を飾る位置と掛け方
基本は、ご本尊を仏壇の中央最上段に安置し、脇侍をその左右に並べます。掛軸は仏壇の一番上の段に掛ける方法が紹介されています。脇侍の左右の基準や宗派ごとの配置は寺院によって異なる場合があるため、菩提寺に尋ねて位置を決めます。
掛け方には、掛軸台に掛ける方法と、仏壇の裏板に留める方法があります。仏壇に掛軸用の飾りが付いている場合は、その飾りを使えることがあります。無理に金具を取り付けたり、掛軸が不安定なまま掛けたりせず、仏壇に備わった金具の有無を確認してから設置してください。
法名軸はご本尊の掛軸とは役割が異なる
法名軸は、故人の法名や没年月日などを記す掛軸で、ご本尊を表す礼拝用の掛軸とは役割が異なります。仏壇の側面に掛けるものとして説明されており、手元の仏壇での位置は菩提寺に尋ねて決めます。
掛軸を傷めにくくする手入れ
紙や布を使った掛軸は、湿気や直射日光に注意して扱います。ほこりが付いたときは、柔らかい毛払いや筆、乾いた柔らかい布などで優しく払います。強くこすったり、濡れた布で拭いたりするのではなく、掛軸の表面に負担をかけない手入れを心掛けてください。
仏壇用掛軸を選ぶときの確認手順
掛軸選びで迷ったら、次の順に確認すると、宗派の違いと寸法の問題を分けて考えられます。
- 菩提寺に、宗派・派に合うご本尊と脇侍を尋ねる。
- ご本尊のみか、脇侍も含めて用意するかを相談する。
- 仏壇中央の設置場所と、脇侍を掛ける場合は左右のスペースを採寸する。
- 掛軸台の有無を決め、台を置く場所も測る。
- 商品の総丈や幅、軸先を含む幅かどうかを確認し、実寸と仏壇内寸を照らし合わせる。
- 仏壇の金具を確認し、掛軸台または備え付けの金具を使って飾る。
選ぶ基準は、宗派の確認と仏壇内部の実寸です。宗派別の一覧や「代」の表記だけで決めず、菩提寺にご本尊・脇侍と配置を尋ねたうえで、掛軸の商品寸法が設置場所に合うか確かめましょう。
