花崗岩(御影石)は墓石によく使われる石材です。色・石目・吸水率などは石種ごとに異なるため、産地や数値だけで品質を決めず、墓地の規則に合うかを確かめてから、実物と石種別の資料を比べましょう。産地証明書が示す情報と、石材自体の状態・特性は分けて見ます。
花崗岩が墓石に広く使われる理由
花崗岩は地下深くでマグマがゆっくり冷えてできた岩石で、一般に「御影石」とも呼ばれます。墓石に使われる代表的な石材の一つで、硬度が高く、磨くと艶が出て、耐久性があると説明されています。お墓の窓口「墓石の選び方」
花崗岩も、含まれる鉱物の種類などによって石種ごとに色や硬度が異なり、材質や見た目にも違いがあります。樋口石材「石材について」
また、石材は天然資源のため、同じ石種でも色や石目に個体差があります。見本で確認した色合いが、実際に建てる石材と完全に一致するとは限らない点も踏まえて選びましょう。全優石「お墓の石種について」
石種ごとの色・石目・数値を比べる方法
色や石目は実物で確認する
石種を選ぶときは、色味に加えて石目の見え方や仕上がりも比べましょう。写真や小さな見本では、実物の大きさや光の当たり方による印象を捉えにくいことがあります。鏡面仕上げの石は、天候や時刻、周囲の映り込みで見え方が変わります。可能であれば実物大の墓石を見て比べてください。須藤石材「墓石の石の種類」
吸水率と圧縮強度は意味を分けて見る
石材資料で見かける数値のうち、吸水率は水の吸い込みやすさ、圧縮強度は圧縮力に対する強さを示します。吸水率が大きいと汚れやすく、エフロレッセンスなどが発生しやすくなるという説明もあります。関ヶ原石材「データ数値、使用可能判定の詳細について」
参考として、全優石の掲載例には次の数値があります。いずれも各石種について紹介された値であり、花崗岩全体に共通する基準値ではありません。
| 石種 | 掲載された色味 | 吸水率 | 圧縮強度 |
|---|---|---|---|
| 天山石 | 青系 | 0.059% | 192.50 N/mm² |
| 庵治石・細目 | 黒系 | 0.15% | 155 N/mm² |
出典:全優石「お墓の石種について」。数値は資料に掲載された対象石種のものです。
数値を比べる際は、石種名とあわせて測定対象や試験条件を見ます。吸水率や圧縮強度は選択の参考になりますが、それだけで墓石の寿命や総合的な品質は決まりません。石材の状態、色合い、石目、耐久性、価格もあわせて比較しましょう。
産地だけで判断せず、実物と墓地の条件を確認する
墓石に使う石材は国内外のさまざまな産地から供給され、産地や石種によって色合いや材質が異なります。国産か外国産かだけで品質を決めつけず、候補ごとに特性を確認することが大切です。やまと石材「墓石の種類と産地について」
選ぶ際は、次の順で確認すると比較しやすくなります。
- 墓地・霊園の規則を調べる。 石材の種類や色、高さ、形状に制限がある場合があります。注文前に管理者へ使用できる石種や寸法を尋ね、条件に合うものを選びます。墓石展示場で比較
- 複数の石種の実物を見る。 可能なら実物大の墓石を見て、日差しや周囲との見え方を比べます。小さな見本や写真との印象の違いも見ておきましょう。
- 石種ごとの資料を比べる。 色・石目・吸水率・圧縮強度などを、対象石種と試験条件が分かる資料で比較します。資料がない項目は、石材店に数値の対象や出典を尋ねます。
- 墓地の環境への適否を調べる。 寒冷地などで使う場合は、一般論で判断せず、対象石材の資料と墓地の条件を石材店や管理者に伝えて相談します。
- 見積もりの条件をそろえる。 価格は石種のほか、等級、寸法、加工、施工条件によって変わります。金額だけで品質を判断せず、見積もりの内訳と含まれる内容を比べます。
産地証明書と石材の品質確認は分ける
日本石材産業協会が案内する石材産地証明書には、原石名や採石地、採石者、加工者、施工者などが記載されます。石材の情報を確認するための資料ですが、製品の品質を証明するものではありません。日本石材産業協会「わたしたちの使命」
産地証明書が示す情報だけで判断せず、石材の状態や特性は別に見ます。候補ごとに石種名、資料に記載された物性値、その値の測定対象を石材店に尋ねると比較しやすくなります。証明書の発行条件や記載項目は、購入時の案内で把握しましょう。
花崗岩の墓石を選ぶときの要点
花崗岩は硬さや磨いた際の艶、耐久性などから墓石に広く使われています。一方で、石種ごとに色・石目・材質や数値は異なり、同じ石種にも天然石ならではの個体差があります。
選ぶときは、まず墓地の規則を確認し、実物を見ながら石種ごとの資料を比べましょう。吸水率や圧縮強度は意味と対象を確認して参考にし、産地証明書は品質保証と混同しないことがポイントです。石材店には、石種名、物性資料、実物確認の可否、見積もりに含まれる内容をまとめて尋ねると、候補を具体的に絞れます。
