日本で唯一残っている平安京の遺構で、平成６年（1994年） に世界遺産として登録される。創建からおよそ1200年と言われ るこの寺は、平安遷都とともに建立された官寺、つまり国立の 寺院です。またこの時代に、漫画の祖といわれる「鳥獣人物 戯画」も、この京都で生まれたと言われております。この歴史ある寺院から、「漫画家による仏の世界展」はスタートいた しました。18日間の開催中に、境内の桜も満開になり、大勢の方にご来場していた だきました。来場者にはたくさんの賞賛の声をいただき、「全国各地で開催してほしい」との意見もいただきました。

　明徳４年（1393年）浄土宗第八祖酉誉聖聰（ゆうよしょうそう）上人によって開かれた増上寺は、徳川家の菩提寺 として知られております。都内中心に位置するこの寺院で開催されました。 本殿下の三縁ホールは、広々としたスペースが確保され、 作品展示数も京都開催の52点から、さらに増えて62点が展示されました。開催初日の５月１日には、本殿横の安国殿にて、東日本大震災の鎮魂と漫画界発展を祈願して法要が営まれ、本展に出展している大勢の漫画家の先生方が出席されました。

関東地方では有数の参詣人を集める著名寺院の成田山新勝寺に続く、参道沿いにある老舗旅館にて開催いたしました。この築130年の梅屋旅館は有形文化財にも指定されており、畳敷きの大広間（約100畳）に展示された会場は、これまでの開催とは違う雰囲気を漂わせました。作品数も前回の増上寺開催からさらに増え、68点を展示。畳の上に座り込んで手を合わせる人や、「この会場に居ると心が安らぐ」と 毎日のように来場する方もみえました。開催期間中は天気にも恵まれ、大勢の入場者で賑わいました。

東京墨田区の回向院にて、初めてとなる寺院との共催という形で開催いたしました。この寺院は江戸時代に、地方のご本尊が江戸にお越しいただき参拝することができる「出開帳」という行事が頻繁に行われていたそうです。今回は「平成の出開帳」と称し、宮城県気仙沼市の地福寺のご本尊が回向院にお越しになられ、東日本大震災の際に、住職に担がれ津波から逃れた という地像菩薩を、期間中参拝することができました。本殿では、毎日のように文化イベントが開催され、地元商店街主催による「気仙沼ふぇすた」も同時開催して、大勢の人で賑わいました。